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愛車Mazda Axela23S/音楽New Wave&Neo-Acoustic/映画-現代思想を中心にしたブログです。

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表象文化の構造分析5

冷戦構造の崩壊(=イデオロギー不在の世界)を受けてポストモダンの特徴がより顕著に見えるようになった21世紀。その特徴を2つあげると、①シミュラークルの増殖 と ②大きな物語の凋落 が挙げられます。まずは①から。
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この場合の「コピー」とは、「パクリ」といった方がわかりやすいかもしれません。昔の基準で考えると「パクリ」という括りに入れられてしまいそうなのだけれども、どうもそうとは言えない水準の作品が多く存在します。現代の音楽界は「サンプリング」という名のシミュラークル無しには存在できないでしょうし、「コラボ」という手法を用いて作品を発表し続けるファッション業界にも当てはまりそうです。
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ポストモダンに入る以前、つまりモダンの時代においてはこういった「暗黙の了解」の上に社会は成り立っていて、人々もとりあえずはこの「大きな物語」を受け入れた上でのゲームに参加していたフシがあります。ところが、21世紀に入り、イデオロギーが不全化してしまったため、大きな物語は退潮し、人々の行動背景や実際の行動様式に変化が見られるようになります。
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人々の行動事例の一つとして、消費行動を考えてみましょう。モダンの時代においては、人々は物語消費を好んでいたし、売り手側も買い手の物語消費欲を駆動するような戦略をとっていた。渋谷パルコの販売戦略がいい例です。
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ポストモダンの消費行動を東はデータベース消費と呼びました。人々がある商品を消費するとき、その商品に含まれる「○○要素」を自己に付加するために買う。決してその背景にある物語で自己を脚色すべく消費するのではないのです。
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上記のように対比的に2つの消費行動を整理してみました。明らかにこの2つの消費行動は異なる、のにもかかわらず、ポストモダンの消費行動をモダンの用語で考察しようとする分析をよく耳にします。正直言ってピントがずれている。
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「世界の中心で愛をさけぶ」がヒットしましたが、作品としてもあからさまなシミュラークルですし、人々は「泣き」に、言い換えると「泣き要素」を消費するために映画館に足を運んだのではないでしょうか。見る前から展開がばっちり推測できる映画であるのにヒットする。否、展開が推測できるから「泣ける」のです。
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上にあるようなオネーちゃんは「女子高生要素」を消費しているのであって、そのような女子高生ファッションによって、何らかの「物語性」をメッセージとして発していることはない。その点がモダンの時代のツッパリ・ヤンキー高校生とは明白に違うのです。従って「なんだ、その格好は。みっともないと思わないのか。」と言う言葉を大人が突きつけたとして、モダンの高校生だと「何言ってやがんだよ。」とにらみつけるところでしょうが、ポストモダンだとポカ~ンとしてしまうか「うっぜー。」という言葉で片付けてしまう。この「うぜー」発言も要素消費ですから、実際「うざったい」と彼ら彼女らが思っているとは言い切れないのです。
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表象文化の構造分析4

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この辺りからレジュメも雑になっていくのですが・・・
明らかに「データベース消費」されているものに対して「物語消費」ベースでの分析がなされ、結果的にナンセンスな結論が導き出されている場面によく出くわします。世の中を切り取って分析する上で、人間の営みの背景にあるその時々の時代背景の変化を押さえておくことはとても重要です。
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ということで昨今の典型的な消費形態(1-2を例に挙げましたが)の裏に潜むものを見るために、まずは過去に遡ってみましょう。
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といっても戦前の世界から考えると日が暮れてしまうので、とりあえず70年代以降から。
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学園紛争があったりして、まだ十分イデオロギーが機能できていた時代です。前回少しだけ触れた「エイリアン」はこの時代の作品です。ちなみに私が生まれて初めて見に行った(正しくは、連れて行かれた)洋画がタワーリングインフェルノだったりします。親父はいったい何を考えていたんだろう・・・
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80年代に入ると、人々がイデオロギーに影響を受けずに消費行動を起こす(大きな物語に影響されない消費)ことが世界的に顕著になります。ところがそういった世界の流れに反して、東京(更にいえば渋谷ですが)では擬似的に回復された大きな物語の中での消費が推奨され、人々もその設定自体を購入する、つまり、「ある環境下で消費する自分を消費する」という物語消費が積極的になされます。渋谷パルコを発信基地とした消費文化が日本を席巻することになります。
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90年代に入ると、冷戦構造の崩壊により世界的にはイデオロギーが機能不全を起こし、物語消費も終焉します。日本では80年代に起こった擬似的物語消費がまだ尾を引いて残っていましたが、背景社会ではネットや携帯電話といった情報技術が爆発的に進歩し、人々の消費形態に大きな影響を与えていきます。
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ということで21世紀に入りました。次回はこの「シミュラークルの増殖」と「大きな物語の凋落」についてやや詳しく見ていくこととします。

表象文化の構造分析3

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前回の「表象文化の構造分析2」最後の画像にあったジグソーパズルのイメージを思い出して下さい。監督・俳優・原作者・・・といったスタッフの「表現したい欲望」がそれぞれ融合するだけではなく、観客である我々にはそのテクストを解釈する自由があって、その解釈で改変されることをも含みで「映画」という媒体は存在するのです。ただ、我々観客は個々自由に「解釈」している気になってはいても、実は本来の意味での自由な作品の読み込みは「社会」によって封じ込められていますが。
ただそれでもなお、観客の解釈後の形態でしか映画は存在し得ません。
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さあ、この「サンス・オプチュ」がこの講座の第一のハイライトです。名作と称される映画はこの「サンス・オプチュ」を巧みに配置している場合が多いようです。
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このサンス・オプチュ=ル・フィルミックがないと我々の中の解釈欲が起動しないのです。人間が本能的に持つ「何故」の探求心に火をつけるのですね。
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実定的抵抗感の例の話しは後に回すとして、欠性的抵抗感の例としては例えばウェスタンムービーにおける女性や有色人種の存在が指摘できるでしょう。
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ということで、ここまで講義を中心に展開させた上で演習に入りました。演習に使った作品は、これも内田樹の十八番「エイリアン」。エイリアンのなかで主人公リプリーがネコを探すシーンがあるのを覚えていらっしゃいますか?「エイリアン」ではこのネコが非常に重要な実定的抵抗感としての役割を果たしています。アメリカ映画史上初めて男の助けを借りずに勝ち残ったジェンダーフリーのヒロイン、リプリー。このネコが作品中でリプリーから「女性性」を解毒しているといっても良いかと思います。

表象文化の構造分析2

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ロシアの民俗学者ウラジミール・プロップは民話の物語構造を分析し、その構造要素が。「留守」,「禁止」,「違反」,「探り出し」,「情報漏洩」,「謀略」,「幇助」,「加害」(または「欠如」),「仲介」,「対抗開始」,「出立」,「贈与者の第一機能」,「主人公の反応」,「呪具の贈与・獲得」,「二つの国の間の空間移動」,「闘い」,「標づけ」,「勝利」,「不幸・欠如の解消」,「帰還」,「追跡」,「救助」,「気付かれざる到着」,「不当な要求」,「難題」,「解決」,「発見・認知」,「正体露見」,「変身」,「処罰」,「結婚」の31素に収斂すると述べました。
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まだビデオやDVDといった媒体が普及する以前の考察ですね。逆に言えば、そういった媒体の出現によって、映画が文学的な観客の参与形態を手に入れたとも言えます。その結果生じている事態は、この講義の最後の方で述べられます。
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そのような形で時代に根を下ろした作品を挙げることは容易ですね。
内田は70年代のイージーライダーを例に挙げています。
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一つの「テキスト」として考察する対象としての見た場合、「映画」の「何」を考察すべきなのか。その範囲が非常に広範なものになることが解ります。

表象文化の構造分析1

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某所で内田樹さんの「映画の構造分析」を中心に据えて連続講義をしたときの記録を残しておきます。ロジックを破綻させる要素があって始めて人の物語解釈意欲(=知りたい気持ち)が起動する。その破綻要素(R・バルトという哲学者はこれをル・フィルミックと呼びました)を有名な映画の場面を使って説明するというものです。
参照

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